おわりに
こうしてみると、許可を得ずに採取・損傷が可能な野生植物は、決して多くはないというのがわかります。
他人からみれば単なる雑草でも、地主にとっては大切な財産である可能性があります(民法の項を参照)。
日本の土地の大部分には持ち主がいて、黙ってそこから植物を採取すると、損害賠償を科されたり、刑法により罰せられる可能性があるわけです。
さらに、様々な自然保護関係の法律が被さりあい、重要な地域の採取行為を規制していることを述べてきました。
私はここで、このような違法行為は絶対やめるべきだとか、許可をとらなくてもちょっとならいいじゃんとか、
そういった意見を述べようとは思っていません。まだ私自身に明確で絶対的な答えがないからです。
しかし、ひとつだけ意見を述べさせてもらいますと、
ひとりひとりがルールをよく理解すると同時に、植物のことをより深く知ること、これが日本の植物保護に大切じゃないのかな、ということです。
トップダウン的なモラル教育だけでなく、法律の理解や植物の分類や生態に関する科学的な知識が国民全体に広まることで、
より高次の社会的モラルが醸成されていったらいいのにな、というのが私の現在の思うところです・・・。
駄文にお付き合い下さいましてありがとうございましたm(_ _)m