オガサワラアオグス (別名ムニンイヌグス、テリハコブガシ) Machilus boninensis
「ムニンイヌグス」 小笠原 父島 東平 3月 |
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「テリハコブガシ」 葉縁が波打つ 小笠原 母島 乳房山 3月 |
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「ムニンイヌグス」 小笠原 母島 東山 3月 |
オガサワラアオグスは、小笠原に固有のクスノキ科樹木で、コブガシと共存しています。
葉の形などに個体変異が大きく、「小笠原植物図譜」ではムニンイヌグスとテリハコブガシの2種に区別されています。
このHPでは、同定の根拠を「日本の野生植物」平凡社に依っていますので、ひとまず全部オガサワラアオグスとして整理しておくことにしました。
コブガシとオガサワラアオグスとの一番の違いは、若葉の色でしょう。コブガシは赤色、オガサワラアオグスは緑色です。
この対比はタブノキとホソバタブの関係と相似的です。つまり、オガサワラアオグスはホソバタブと近縁な植物として定義されているはずです。
オガサワラアオグスに含まれる型のうちムニンイヌグス型は、ホソバタブと似た細長い無毛の葉なので、コブガシと区別できます。
しかしテリハコブガシ型は、若葉が緑色で葉は無毛なものの、葉は大きくてコブガシに近く、コブガシに近縁な雰囲気を受けます。
やはり、「小笠原植物図譜」のようにムニンイヌグスとテリハコブガシを区別するのが自然だと感じました。
ムニンイヌグスとタブガシ(=コブガシの毛の少ないタイプ)の区別は難しく、若葉の色と葉の幅・質で識別するのがよいようです。